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クラウド型会計ソフトについて

執筆者の写真: 漆原岳郎漆原岳郎

 今年も残り1ヶ月あまりとなりました。街は年末の行事に向け浮足立ておりますが、そろそろ今年を振り返り、年初の目標をどのくらい達成できたのか、達成出来なかった目標については反省し、来年の目標に反映させるなど、総決算の時期です。また、我々の業界では繁忙期を迎えることとなり、憂鬱な時期にもなります。。。


 昨今、クラウド型会計ソフトを利用される方が増えております。昔から「IT化」と言われていたのが、いつの間にか「Iot化」と言われ始め、多くのものがネット環境に接続される社会が進んでおります。クラウド型会計ソフトもネット環境に重きを置いた製品だと思います。

 クラウド型会計ソフトの主なメリットとしては、

① ネット環境さえ整えば、場所を選ばず利用することが可能

② コストが他の会計ソフトに比べて安価

③ データのバックアップ等が不要なので、メンテナンスが簡単

が挙げられると思います。その他、会計事務所とのデータ連動のシームレスさなど、メリットはかなり多いと考えられます。

 逆にデメリットとしては、

① 全てがネット環境に依存…ネット環境が無いと使えない、処理速度が通信速度に比例する

② 会計の入力という部分で既存の製品と違いがあり、導入とその後の運用について慣れが必要

③ ベンダー側のメンテナンス等により、使えない時間が出てくる可能性がある

が挙げられます。①については、ネット環境があるか無いかの違いなので、山奥でそもそも電波が無いという場合などを除けばデメリットにならないと考えられます。②については、どのような製品であっても違いは発生するものなので、その違いが看過出来るものであればそこまでデメリットにはならないと思われます。


 問題は③です。10月末日において、一時的にシステムを利用出来なくなるという不具合が発生したクラウド型会計ソフトがありました。月末日は基本的に法人税等の申告期限であり、期限ギリギリを迎えている中でそのような不具合が発生すると、最悪の場合申告が期限に間に合わないという事態となります。これについては救済措置は無いと思いますので、その責任がどこにあるのか?とうい論点はありますが、いずれにしても誰かが不利益を被ることとなります。

 (以前、地方自治体側のシステムが不具合により電子申告を受け付けられないといった事態が発生しましたが、これについては公共サイドの不具合なので、総務省から期限後申告が認められました。)

 ただ、通常の会計ソフトであったとしても、PCが壊れたりなどで会計ソフトを使えなくなるといった事態は想定されます。そういった事態に対応するために、データのバックアップ等についてメンテナンスをご自身で行う必要があります。万全の体制を整えるためには、手間を掛けなければいけないのが、現状です。

 であれば、データの保存やバックアップ先としてクラウドを利用し、日常業務はPC内や職場ネットワーク内で完結させるというやり方が良いのではないかと考えます。若いのに新しいものを積極的に使わなくて良いのかというお叱りはごもっともなのですが、最悪の事態を想定した場合、データとその受け皿(会計ソフト等)を別にしておくことで、リスクを分散し、最小限の行動により事態を収めることが可能ではないかと考えます。

 当事務所においても、現在はクラウド型会計ソフトは使用しておりません。多少手間はかかっても、デスクトップ型の会計ソフトをお勧めしております。


 会計のみならず、業務の効率化を常日頃考えてはいますが、基本的に紙での証拠が必要となる仕事なので、今のところ効率化にも限界があるのかと思っています。ただ、インターネットの発展により、多くの仕事が効率化されたことは間違いありません。現状はどこかに人の手による作業やチェックが必要になりますが、今後AI等が本格的に普及した時に、革命的な効率化というものがもたらされると期待しております(仕事が無くなるかも知れませんが)。


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