確定申告期で業界が繁忙期真っ只中、法人向けの保険商品について、大きな動向がありました。
ここ数年で、返戻率の高さから人気となっていた積立型の全損保険が前面販売停止となり、それに付随して半損商品なども一部販売を取りやめることとなっています。
保険とは本来、死亡や急な病気など不測の事態になった場合において、家計や会社の救済策として一時金などが支払われるものです。
今回販売停止となった保険商品は、
①掛け金が全額損金となる
②解約時の返戻率が高い
として、法人の利益の繰り延べ(節税)として多く加入されていました。
保険への加入目的が、本来の目的から外れており、税負担について公平性を欠くこととなるので、販売停止にまでなったようです。
また、これを機に、保険商品の損金算入等について規制が入るかもしれないとのことです。
ここまでの動きとなったということは、今回販売停止となった保険商品の加入者数とその金額が相当な額となっており、それによる節税額(税収減額)もかなりの規模となっているのだと思われます。
保険会社も商売なので、ニーズに応じた商品を開発し、提供することが企業活動として正しい形といえます。今回販売停止となった保険商品についても、生保各社が返戻率競争などで市場が大きく盛り上がっていたと思います。そういった経済活動に制限をかける事について、疑問を抱かないわけでは無いですが、国の税収面で影響してくるレベルのものとなるとそうも言ってられないのかもしれません。
現在、社員の福利厚生兼退職金の積み立てとして、節税以外の目的で保険商品を活用することもあります。そういった保険商品についてまで販売停止となると、退職金積立と福利厚生(保険)が別々となり、会社にある程度負担が出てくる可能性もあります。
どの程度まで影響してくるかは未だ分かりませんが、保険には企業の経営を手助けする側面もあります。そういった側面にまで規制が入ってくると、中小企業の経営面に大きな影響をを与えてくることとなりますので、注意が必要です。
これから、保険商品について、その活用が大きく変わってくることとなりそうですので、今後も動向を追っていきたいと思います。
なお、個人での資産運用を目的とした保険などは、従前通り取り扱っておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。
2019年3月8日追記~~~~~~
当事務所にて取り扱っている保険について、従前より退職金積立としてご提案していた保険についても販売停止となりました。
これにより、保険商品の取り扱い内容が大幅に変わっております。企業向け保険として提案できる種類も限られてきてしまいました。
今後、保険会社各社が新たな商品設計を行うと思いますので、それまでは待ちの状況になるかと思います。
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